ビジネスプロフィールの権限はGoogleアカウントに付きます。そのアカウントに誰も入れなくなれば、店の情報を直せなくなります。登録の手順より先に、「どのアカウントで持つか」「ログインできなくなったらどう戻るか」「担当者が辞めたらどうするか」を決めておきます。
この記事は、これからプロフィールを登録する方と、個人のアカウントで登録したまま運用している方向けです。Googleが公式に案内しているアカウント保護の基本と、当社が提案する店舗向けの運用ルールを分けて説明します。Google公式ヘルプは2026年10月5日に確認しました。「編集上の提案」と書いた部分はGoogleの要件ではありません。
所有権の設計と、パスワード共有は別物
まず混同しやすい2つを分けます。
| やり方 | 仕組み | 起きやすい問題 |
|---|---|---|
| 各自のアカウントに権限を付ける | オーナーが他の人のアカウントをオーナーまたは管理者として招待する | 人が辞めたら、その人の権限を外せばよい |
| 1つのアカウントのパスワードを共有する | 全員が同じアカウントでログインする | 誰が操作したか分からない。2段階認証の端末が1人に偏る。退職者がパスワードを知ったまま残る |
Googleは、各ユーザーが自分のGoogleアカウントを持っていれば、パスワードを共有することなくプロフィールにアクセスして管理できると説明しています。出典:ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する。権限の割り振り方はスタッフ・外注先への権限設計で扱い、この記事では土台になるアカウントそのものを整えます。
どのアカウントでプロフィールを持つか
ビジネスプロフィールの利用にはGoogleアカウントが必要です。Googleは、Gmailアドレスまたは希望のメールアドレスで新しく作る方法、任意のメールアドレスで作られた既存アカウントを使う方法を案内し、会社のメールアドレスがあればGoogleアカウントにリンクすると管理が簡単になるとしています。出典:Googleでビジネスのオーナー確認を行う。
編集上の提案として、メインのオーナーは担当者個人の私用アカウントではなく、事業として引き継げるアカウントにすることをおすすめします。会社のメールアドレスで作ったアカウントや、事業専用に作ったアカウントです。社内でGoogle Workspaceなどの組織アカウントを使っている場合は、2段階認証や復元の設定を管理者が制御していることがあるため、社内の管理者に確認してください。
放置にも注意が必要です。Googleは、最近アカウントにログインしていないこと、Googleがメールで連絡を試みても連絡がつかなかったことなどを、オーナー権限が取り消される理由として挙げています。出典:ビジネスの適格性とオーナー権限に関するガイドライン。普段使わない専用アカウントにする場合は、定期的にログインして通知を確認する担当を決めます。
Google公式が案内するアカウント保護の基本
ここからはGoogleアカウント全般の公式案内です。
- 再設定用の電話番号とメールアドレス。パスワードを忘れた、不正に使われた、などでログインできない場合に再びアクセスするための情報です。再設定用のメールアドレスには、ログインに使うものとは別のアドレスを選ぶよう案内されています。追加・変更が反映されるまで最長7日ほどかかることがあります。出典:復元オプションを設定する
- 2段階認証プロセス。パスワードが盗まれた場合に備える機能です。2つ目の手順として、Googleからのメッセージ、パスキーやセキュリティキー、確認コードアプリ、SMSや音声通話のコード、バックアップコードなどが説明されています。SMSや音声通話のコードは電話番号を利用するハッキングに対して脆弱となるおそれがあるとされています。出典:2段階認証プロセスを有効にする
- バックアップコード。スマートフォンを紛失した場合に使える8桁のコードで、印刷またはダウンロードして安全な場所に保管し、誰にも教えないよう案内されています。
- セキュリティ診断。アカウントの状況に応じた推奨対策を確認できます。出典:アカウントのセキュリティを強化する
ログインできなくなった場合は、アカウント復元ページで質問にできる限り答えます。普段使っている端末や場所から試すとよいとされています。Googleはアカウントへのログインについて電話での問い合わせには対応しておらず、復元サービスを名乗る業者とも提携していないと明記しています。出典:Google アカウントや Gmail を復元する方法。
店舗向けの運用ルール(編集上の提案)
公式の機能を、店舗の人の入れ替わりに耐える形で使うための当社の提案です。有料のパスワード管理サービスなどは必須ではありません。Googleはパスワードマネージャーの使用を検討するよう勧めていますが、使うかどうかは事業者の判断です。
- オーナーを2人以上にする。メインのオーナーの事業用アカウントに加え、経営者など別の責任者のアカウントもオーナーにします。1つのアカウントに問題が起きても、もう1人が管理を続けられます。
- 再設定用の電話番号は、退職で持ち去られない番号にする。担当者の私用スマートフォンだけに依存しないようにします。
- 各アカウントの持ち主が復旧手段を確保する。バックアップコードは本人が安全に保管し、他の人に共有しません。事業の管理を一人に依存させないためには、別の責任者をその人自身のアカウントでオーナーに招待します。
- 担当者が替わったら、権限と復元情報を同じ日に見直す。
記録表に書く項目、書かない項目
アカウントの管理表は、引き継ぎのために「どこに何があるか」を残すものです。パスワードや確認コードの中身を書く場所ではありません。管理表が共有ドライブやチャットに置かれると、見られる人が意図せず増えます。
| 書いてよい項目 | 書かない項目 |
|---|---|
| プロフィールを持つアカウントのメールアドレス | パスワード |
| オーナー・管理者の一覧と役割 | バックアップコードの番号 |
| 再設定用の電話番号が誰の端末か | 確認コード、オーナー確認のコード |
| バックアップコードを本人が安全に保管したか(番号や具体的な保管場所は共有しない) | 2段階認証アプリの設定用コード |
| 最後にログインして通知を確認した日 | 再設定用の質問の答えなど本人確認情報 |
架空例:店長の私用アカウントで登録していた美容室
以下は説明用の架空例です。ある美容室では、開業時に店長が自分の私用アカウントでプロフィールを登録し、そのまま運用していました。店長の異動が決まったため、次の順番で移しました。
- 会社のメールアドレスで事業用のGoogleアカウントを作り、再設定用情報と2段階認証を設定する
- 店長のアカウントから、事業用アカウントと経営者のアカウントをオーナーとして招待し、承諾してもらう
- 日をおいてから、店長がメインのオーナーを事業用アカウントへ譲渡する
- 店長の役割を管理者に変えるか、異動日に削除する
3で日をおくのは、公式ヘルプが新たにオーナーや管理者になったユーザーについて、メインのオーナー権限に関わる操作や他のユーザーの削除などが7日ほどエラーになる場合があると説明しているためです。追加した当日に譲渡まで済ませる計画にせず、引き継ぎは異動の1週間以上前に始めます。出典:ビジネス プロフィールのメインのオーナー権限を譲渡する。
退職・異動時の引き継ぎチェック表
| 確認項目 | 済 |
|---|---|
| メインのオーナーが事業用アカウントになっている | |
| オーナーが2人以上いる | |
| 退職者の権限を外した、または役割を変えた | |
| 事業用アカウントの再設定用電話番号・メールが退職者のものでない | |
| パスワードを共有していた場合は変更した | |
| 各オーナーが、自分のアカウントの復旧手段を確保している |
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アカウントが整ったら、スタッフ・外注先への権限設計で誰にどの役割を渡すかを決めます。すでに管理画面に入れず、他の人が権限を持っている場合は権限を取り戻す手順を読んでください。登録全体の流れは親記事のビジネスプロフィールの登録とオーナー確認で確認できます。
