移転・店名変更・事業譲渡は、「同じビジネスが続いているか」を軸に判断します。同じビジネスが場所や名前を少し変えただけなら既存のプロフィールを更新し、別のビジネスに変わったと言えるなら既存のプロフィールに閉業マークを付けて新しく作る、というのがGoogleのガイドラインの基本です。ただし移転については、公式ヘルプの中で記載が分かれている点があり、この記事ではそれも含めて説明します。
この記事は、移転や屋号変更を控えている店舗・地域サービスの事業者と、事業を引き継いだ新しい経営者向けです。3つの変化ごとの判断表、公式ヘルプの記載の違いと当社の考える進め方、変更前後の作業、架空の3例を扱います。Google公式ヘルプは2026年10月5日に確認しました。店名そのものの決め方は店名・屋号の登録、ピンや入口の調整はピンと入口の点検で扱っています。
まず4つの観点で今回の変化を書き出す
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 場所 | 住所が変わるか。同じ建物内の部屋の移動か、別の場所への移転か |
| 名前 | 名前に含まれる固有名詞が変わるか。表記の小さな修正か |
| 業種・サービス | 提供するサービスや業種が変わるか |
| 運営者 | 経営者や法人が変わるか。プロフィールの権限を誰が持っているか |
場所や名前だけの変更でも、業種や名称変更の条件によって手続きは変わります。既存プロフィールを編集するか、新しいビジネスとして扱うかを、以下の基準で確認します。以下で根拠を順に確認します。
店名変更:小さな変更か、新しいビジネスか
ガイドラインは、ビジネス名に含まれる固有名詞やサービスが変わらず、業種の変更もないなど、名前をわずかに変更する場合は、新しいプロフィールを作らずに名称変更ができることがあるとしています。また、複数の拠点があるビジネスが名称を変更する場合も、名称変更の対象になると案内されています。これらの基準を満たさない名称変更は新しいビジネスとみなされ、既存のプロフィールに閉業マークを付けたうえで、新しい名前でプロフィールを作成する必要があるとされています。出典:Googleに掲載するビジネス情報のガイドライン(「ビジネスの名称変更」)。
ポリシーの概要にも、ビジネスの性質を大きく変える編集は多くの場合不正行為であるか、掲載を削除すべき状況に当たり、名前やカテゴリの大幅な変更は拒否されることがあると書かれています。別のビジネスがその場所で営業している場合や、ビジネスの内容が大きく変わった場合は、以前のビジネスの名前を変えるのではなく閉業マークを付けるよう案内されています(Google ビジネス プロフィールのポリシーの概要)。また、オーナー確認後に名前を変えると再度オーナー確認が必要になる場合があります(ビジネス プロフィールを編集する)。
移転:公式ヘルプの記載が分かれている
移転については、確認日時点で2つの公式ヘルプが異なることを書いています。英語版でも同じ内容でした。
| ヘルプ | 移転についての記載 |
|---|---|
| 重複するプロフィールと所有権に関する問題を解決する | 移転した場合は、新しい拠点のプロフィールを新しく作成せず、既存のプロフィールを新しい住所に更新する |
| ポリシーの概要(ビジネス拠点の変更) | 実店舗そのものが顧客体験に直結しているビジネス(飲食店、宿泊施設、エンターテイメント施設など)は、拠点の編集が不承認になる。移転した場合は既存のプロフィールに閉業マークを付けたうえで新しい拠点でプロフィールを作る。移転ではなく誤った住所の修正ならGoogleに連絡する |
さらに、所在地や名称の変更に伴って閉業マークを付けたプロフィールは営業中に戻せず、新しいプロフィールを追加してオーナー確認する必要があり、口コミを新しいプロフィールに移したい場合はGoogleに問い合わせるよう案内されています(ビジネス情報を営業中に再設定する)。
ポリシーの概要の記載は、飲食店・宿泊施設・娯楽施設のように「その場所であること」が利用体験の一部になる業種を念頭に置いた段落の中にあります。当社はこれを次のように読み、進め方を提案します。どちらの読み方が正しいかをGoogleが明示しているわけではないので、判断に迷う場合は手続きの前にGoogleへ相談してください。
- 整骨院、美容室、士業事務所、修理店など、同じ人が同じサービスを場所だけ移して続ける業種は、重複のヘルプに沿って既存プロフィールの住所を更新する。新しいプロフィールは作らない
- 飲食店・宿泊施設・娯楽施設は、住所の編集が不承認になる可能性があると想定し、移転日の前にGoogleへ相談する。新しく作る場合も、旧プロフィールの閉業マークと新プロフィールの作成を同時に進め、両方が営業中のまま並ぶ期間を作らない
- どちらの業種でも、旧住所の掲載を残したまま新住所でもう1つ作る、という形にはしない。重複と見なされると表示されなくなる
住所を更新した場合は、オーナー確認を再度行う必要があります(前出の編集のヘルプ)。確認の方法と期間はオーナー確認の進め方を参照してください。編集の反映は通常10分ほど、場合によっては30営業日ほどかかるとされています(ビジネス拠点の住所を管理する)。
事業譲渡:権限を引き継ぐか、新しく始めるか
事業譲渡で問題になるのは、プロフィールの中身より「誰が管理権限を持っているか」です。ガイドラインには、プロフィールのオーナー権限を引き受ける場合は、前のオーナーにオーナーとして追加してもらったうえでオーナー権限を譲渡してもらう必要がある、というヒントがあります(前出のガイドライン)。メインのオーナー権限を新しいオーナーへ譲渡すれば、クチコミなどのビジネス情報はすべて維持されると説明されています(メインのオーナー権限を譲渡する)。
| 譲渡後の状態 | プロフィールの扱いの方向 |
|---|---|
| 店名・場所・サービスはそのまま、経営者だけ変わる | メインのオーナー権限を新しい経営者へ譲渡してもらう。プロフィールは継続 |
| 経営者が変わり、店名を小さく直す(表記の修正など) | 権限の譲渡後に名称変更として編集できるか確認する |
| 経営者が変わり、店名の固有名詞や業種も変わる | 名称変更の基準(複数拠点の名称変更を含む)を確認する。該当しなければ前のビジネスに閉業マークを付け、新しく作成する |
| 前の経営者と連絡が取れない、協力が得られない | オーナー権限のリクエストに進む(権限を取り戻す手順) |
譲渡の契約前に、プロフィールのメインのオーナーが誰のアカウントかを確認し、引き継ぎの手順と日程を書面で合意しておくことを当社は提案します。新しく加わったオーナーは約7日間、メインのオーナー権限の譲渡や他のユーザーの削除でエラーが出ることがあるため、引き渡し日の1週間以上前から始めます(オーナーと管理者を管理する)。
変更の前後でする作業
以下の日程は当社の準備例で、Googleが定めた期限ではありません。移転先の実際の営業開始日と、再確認に必要な準備状況に合わせて進めます。
| 時期 | 作業 |
|---|---|
| 2〜4週間前 | 今回の変化を上の4観点で書き出し、更新か新規かを決める。迷う場合はGoogleへ相談。メインのオーナーが自社にあるか確認 |
| 1週間前 | 新しい看板・公式サイト・名刺の切り替え日を決める。再確認に必要な電話・郵便物を受けられるか確認 |
| 当日 | 住所または名前を編集し、ステータスを記録する。移転に伴う休業は、期間に応じて特別営業時間か臨時休業を設定する(使い分け) |
| 当日〜数週間 | 公開表示を確認し、オーナー確認を求められたら対応。自社サイト、予約サイト、SNSの住所・名前を揃える |
| 反映後 | 新しい外観・入口の写真を追加。旧住所の案内が残る媒体を探して直す |
架空の3例
以下はいずれも説明用の架空例です。
- 整体院が300メートル先へ移転。院名、施術者、サービスは同じ。既存プロフィールの住所を更新し、再度のオーナー確認に備える。旧住所で新しくプロフィールを作り直したりはしない
- 喫茶店が隣の通りへ移転し、店名も変える。飲食店で、店名の固有名詞も変わるため、新しいビジネスとして扱う方向。旧店に閉業マークを付け、新しく作成する前にGoogleへ相談し、口コミの扱いも確認する
- クリーニング店を従業員が引き継ぐ。店名・場所・サービスは同じ。前の経営者にオーナーとして追加してもらい、7日以上おいてからメインのオーナーを譲渡してもらう
よくある失敗
- 新しい場所で先にプロフィールを作り、旧プロフィールをそのままにする。同じ事業の掲載が2つ並び、重複の整理が必要になります(重複掲載の整理)
- 前の店の掲載の名前を書き換えて流用する。別のビジネスが同じ場所で始めた場合は、以前のビジネスの名前を変えずに閉業マークを付けるよう案内されています
- 閉業マークを付けた後で「やはり同じ店として続けたい」と戻そうとする。所在地・名称変更に伴う閉業マークは営業中に戻せません。マークを付ける前に判断を固めます
編集が不承認になった場合は編集の不承認や勝手な変更を調べる、Googleに相談する際の準備はサポートへ相談する記録を揃えるを読んでください。休業や閉業の表示の使い分けは臨時休業・閉業・再開の区別で扱っています。全体の学習順はMEOの基礎ガイドに戻って確認できます。
この分野の全体像と読む順は、トラブル・変更・復旧の学習ガイドにまとめています。
