士業のMEOは、集客の手法である前に、表示の設計です。事務所の名前で出るものには所属会の規程がかかります。順番を間違えると、後から直せない形で出てしまいます。
- 士業のMEOが他の業種と違う3点
- どの順番で手をつけるか
- 受けてはいけない提案
この記事は入口です。個別の論点は、それぞれの記事にまとめています。業種を問わない基本はMEOの基礎ガイドに、業種ごとに何が変わるかの全体像は業種別のMEO学習ガイドにあります。この記事では、その共通原則に士業だけの制約を重ねます。法令・規程・Googleのヘルプは、2026年10月5日に原文を確認しました。
他の業種と違う3点
1. 広告規程がかかる
各会の広告に関する規程は、事実に合致しない表示や、誤認のおそれのある表示を禁じています。「地域No.1」「必ず通ります」のような書き方は、所属会の広告規程に照らした確認が必要です。規程の置き場所と中身は士業ごとに違うため、このあとの表で比べています。
もう一つ見落とされやすいのが、第三者が行う表示への協力も対象になる場合があることです。大阪司法書士会の規則は、会員自身が行えば規則に抵触する第三者の表示について、会員が利益を供与したり協力したりすることを禁じています。業者が作った表示だから自分は関係ない、とはなりません。同じ構造の条文は、日本弁護士連合会の弁護士等の業務広告に関する規程8条や、名古屋税理士会の業務の広告に関する細則6条(同会の綱紀のしおり 四訂版所収)にもあります(いずれも2026年10月5日確認)。
2. 守秘義務が口コミにかかる
口コミへの返信は公開の場です。返信の内容によっては、依頼関係があったことを認めることになります。税理士法54条、社会保険労務士法27条の2、行政書士法19条の3には、使用人その他の従業者にも守秘義務を課す条文があります(e-Gov法令検索で2026年10月5日確認)。返信を事務員に任せている場合も同じです。
書き方は士業の口コミ返信にまとめました。
3. カテゴリが用意されていないことがある
2026年9月16日に日本で選べるカテゴリ4,053件をすべて取得して調べたところ、「社会保険労務士」「社労士」を含む名称は0件でした。司法書士・行政書士・税理士・弁護士にはあります。「相続」を含む名称も0件です(「遺言執行者」はありますが、これは遺言の内容を実現する役割を指す言葉です)。
公式ヘルプは、希望する具体的なカテゴリがない場合はビジネスを説明する一般的なカテゴリを選ぶよう案内しています。独自の業種を作成することはできません(2026年10月5日確認)。実測の内訳は士業のカテゴリに置いています。
士業ごとに違うところ
「士業の規程」とひとまとめにされがちですが、条文の置き場所も中身も士業ごとに違います。他の士業向けの記事や、別の会の規程を読んで「うちも同じだろう」と判断しないために、確認した範囲を表にしました(2026年10月5日確認)。
| 士業 | 本人の守秘義務 | 事務職員の守秘義務(法律) | 広告の規程を定めるところ(確認した例) | 依頼者・案件を表示する広告 | 専用のカテゴリ(2026年9月16日実測) |
|---|---|---|---|---|---|
| 弁護士 | 弁護士法23条 | 法律に同じ趣旨の条文は見当たらない | 日本弁護士連合会の規程(全国の弁護士に適用)。3条で事実に合致しない広告、誤導・誤認のおそれのある広告、誇大な広告などを禁止 | 規程4条:顧問先・依頼者や受任中の事件の表示は、依頼者の書面等による同意がある場合などを除き禁止 | あり |
| 司法書士 | 司法書士法24条 | 法律に同じ趣旨の条文は見当たらない | 各司法書士会の規則(例:大阪司法書士会) | 大阪の規則3条:依頼者の文書による同意がある場合を除き禁止 | あり |
| 税理士 | 税理士法38条 | 税理士法54条 | 各税理士会の細則(例:名古屋税理士会) | 名古屋の細則4条:委嘱者の書面による同意がある場合を除き禁止 | あり |
| 社会保険労務士 | 社会保険労務士法21条 | 社会保険労務士法27条の2 | 全国社会保険労務士会連合会の会則43条の4第3項(誇大・虚偽の事項で相手方を欺くおそれのある広告を禁止) | 連合会の会則には個別の定めが見当たらない。所属する会に確認 | なし |
| 行政書士 | 行政書士法12条 | 行政書士法19条の3(職務基本規則11条2項も、補助者等に秘密を守らせる義務を定める) | 日本行政書士会連合会の職務基本規則17条(ホームページ・SNSを含む広告で、事実に合致しない内容、誤認・誤導のおそれ、誇大を禁止) | 17条には個別の定めがない。所属する会に確認 | あり |
読み方の注意が2つあります。1つ目に、司法書士と税理士の行は、特定の会(大阪司法書士会・名古屋税理士会)の例です。この2士業は会ごとに規程が置かれているため、条文の番号や同意の要件は自分の所属会のもので確かめてください。弁護士・社会保険労務士・行政書士の行は全国の連合会の規程ですが、所属する会が別に定めを置いている場合もあります。2つ目に、「見当たらない」「個別の定めがない」は、上に挙げた資料の中に該当する条文がなかったという意味です。所属会の別の規則や指針で定めている可能性があるので、「規制がない」とは読まないでください。
手をつける順番
受けてはいけない提案
Googleのサードパーティポリシーは、上位掲載を保証することと、Google認定などを装う組織アカウント名を使うことを禁止例として挙げています。ローカル検索のヘルプにも「ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じておりません」と書かれています(いずれも2026年10月5日確認)。
同じポリシーは、管理を代行する事業者に対して、最終顧客からの通知を受け取ってから7営業日以内に、管理サービスとの関連付けを解除し、顧客がアカウントの排他的な管理を取り戻せるよう取り計らうことを求めています。起算点は通知なので、解約の申し出は日付が分かる形で残してください。
任せてよい範囲と、任せても先生の責任が残る範囲の線引きは士業がMEO業者に頼むときにまとめました。
効果をどう見るか
士業は、飲食店のように「近くで探して今すぐ入る」業種ではありません。紹介や検索で名前を知った人の、確認先にもなります。社労士にGoogleマップ対策は要るかでは、社労士まわりの検索語を分類して、事務所を探す語ばかりではないことを示しました。
だから、順位だけを見ても判断できません。問い合わせのときに「何で知ったか」と「相談の前に何を見たか」を分けて聞くと、確認先として機能しているかが分かります。
- 士業でもMEOに意味はありますか
-
新規の集客経路としてどれだけ効くかは、業務と地域によります。ただし、名前を聞いた人が確認のために調べる先としては機能します。まずそこを整える、という順番なら費用対効果の判断もしやすくなります。
- 事務所名に「相続に強い」と入れてもいいですか
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ガイドラインは、ビジネス名に不要な情報を含めると停止される場合があると述べています。加えて、各会の広告規程に触れる可能性もあります。実際の名称のまま登録し、業務内容はカテゴリとサービス、説明文で示してください。
- 口コミを依頼してもいいですか
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見返りを伴う依頼はGoogleのポリシーで禁止されています。士業ではさらに、依頼者に口コミを求める行為自体が守秘義務や各会の規程に触れないかの確認が必要です。所属会に確認してから判断してください。
- 自分でやるのと業者に頼むのはどちらがいいですか
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情報の登録と口コミ返信は、先生ご自身か事務所の中でやるほうが安全です。規程の判断が要るからです。業者に頼むなら、何を任せて何を任せないかを契約前に文書で決めてください。
- 社労士のカテゴリが無い場合はどうすればいいですか
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公式ヘルプは、希望する具体的なカテゴリがない場合はビジネスを説明する一般的なカテゴリを選ぶよう案内しています。無関係な事業のカテゴリを選ぶのは避け、近いものを選んだうえで、業務内容は説明文とサービス欄で補ってください。
まとめ
- 士業のMEOは表示の設計。所属会の規程が先にかかる
- 第三者が行う表示への協力も規程の対象になる場合がある
- 「社会保険労務士」を含む名称のカテゴリは、2026年9月16日時点の実測では0件
- 情報→カテゴリ→語→口コミの受け方→投稿、の順で進める
- 上位掲載の保証と、Google認定などを装う組織アカウント名は、ポリシーの禁止例
規程に触れない形で整えるところからお手伝いします。Googleマップ集客整備をご覧ください。
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