キャッチコピーの作り方|反応が取れる型とNG例・名作に学ぶコツ

キャッチコピーの作り方|反応が取れる型とNG例・名作に学ぶコツ
  • 反応が取れるキャッチコピーの3原則と、5ステップの作り方がわかる
  • そのまま使える5つの型と例文、業種別のサンプルが手に入る
  • 広告文とLPのキャッチのズレ(メッセージマッチ)の直し方がわかる
  • 景品表示法・薬機法で気をつける表現の線引きがわかる
  • 名作コピーから「学べること・真似してはいけないこと」を区別できる

「キャッチコピーを考えているが、うまい言葉が浮かばない」——安心してください。中小企業の集客に必要なのは「うまい言葉」ではありません。正しく作られた言葉です。

キャッチコピーはセンスの勝負だと思われがちですが、反応が取れるコピーには再現可能な原則と型があります。この記事では、中小企業のLP・広告を支援しているマーケティングの専門家として、キャッチコピーの作り方を原則→手順→型の順で解説します。

LPに必要なコピーは3種類ある

本題に入る前に、全体像を確認します。LPの文章を「キャッチコピーの出来」だけの問題として捉えると、直すべき場所を見誤ります。LPのコピーは役割で3つに分かれ、それぞれ読み手に求める判断が違います。

  • キャッチコピー(ファーストビュー):「読むかどうか」を決めさせる。訪問直後の数秒で判断される
  • ボディコピー(本文):「信じるかどうか」を決めさせる。ベネフィットの説明・根拠・お客様の声・料金など
  • クロージングコピー/マイクロコピー(CTA周りの一言):「行動するかどうか」を決めさせる。ボタンの文言と、その直前・直後に添える一言

この記事の主役は1つ目のキャッチコピーですが、キャッチだけを磨いても、本文で失速したりボタンの手前で止まったりすれば成果は動きません。特に3つ目のマイクロコピーは、書き換えの手間が最も小さいのに手が入っていないことが多い箇所です。「送信」を「無料で相談する」に変える、ボタンの下に「相談だけでもOK/営業電話はしません」を添える——この程度の作業でも、押す直前の迷いは減ります。

キャッチコピーには2種類ある

次に、決定的に重要な区別をします。キャッチコピーには2種類あり、作り方がまったく違います。

  • イメージ型:ブランドの世界観を残す(例:大手企業のテレビCMの名作コピー)。効果は長期の認知形成で、測定は困難
  • レスポンス型:読み手に今すぐ行動させる(LP・広告・チラシ)。効果はクリック率・問い合わせ数で測定できる

中小企業の集客で必要なのは、ほぼ100%レスポンス型です。この記事はレスポンス型の作り方を扱います。

反応が取れるキャッチコピーの3原則

1. ベネフィットを言う(商品の説明をしない)

読み手が知りたいのは商品ではなく「自分がどう良くなるか」です。「高性能な会計ソフト」ではなく「月末の経理作業が、半日で終わる」。ベネフィットの設計がコピーの土台です。

2. 具体的にする(数字は最強の具体化)

「早い・安い・簡単」は何も言っていないのと同じです。「3営業日で納品」「初期費用0円」「入力は3項目だけ」——数字が入った瞬間、コピーは証拠を持ちます。

3. 誰向けかを明示する(全員向けは誰にも刺さらない)

「従業員10名以下の会社のための」「初めてLPを作る方へ」——対象を絞ると読み手は「自分のことだ」と足を止めます。絞ることで反応は下がるのではなく、上がります。

3原則を支えるもう1つの要素:根拠(第三者の評価・実績)

3原則を満たしたコピーは「魅力的」にはなりますが、初めて見る会社の言葉というだけで、読み手は半分疑って読んでいます。そこを埋めるのが根拠です。使えるのは、自社で確認できる実数と第三者の言葉——取引社数・対応件数・継続率、メディアへの掲載、資格や認定、お客様の声の一節。これらをサブコピーやキャッチの直下に短く添えると、同じ主張でも受け取られ方が変わります。

注意点は2つ。後述するNG例のとおり実績を主語にしないこと(「創業20年の実績と信頼」はコピーではなく自己紹介です)。そして、聞かれたら出せる数字だけを書くことです。

流入元とのメッセージマッチを合わせる

原則を満たしたコピーでも、置き場所を間違えると反応しません。読み手はLPを更地で見ているのではなく、その直前に読んだ言葉の続きとして見ているからです。

広告文とFVのキャッチが食い違うと直帰される

「相続登記だけを代行します」という広告をクリックしたのに、開いたLPのキャッチが「地域No.1の総合法律サービス」だったら、読み手は「探していたページと違う」と判断して戻ります。同じ会社の話でも、言葉が一致していないだけで離脱は起こります。

やることは単純で、広告文(見出し・説明文)に使った語を、FVのキャッチにそのまま登場させることです。検索広告なら読み手が入力した検索語に近い言葉が、SNS広告ならクリエイティブで約束したことが、FVで繰り返されているか。まずはこの一致だけを確認してください。

キーワード群ごとにFVを出し分ける

同じサービスでも、検索語によって読み手の関心は違います。「税理士 変更」で来た人は今の税理士への不満を抱えており、「税理士 相続」で来た人は目の前の相続手続きを片づけたい。この2人に同じキャッチを見せると、どちらにも半端に届きます。

理想はキーワード群ごとのLPですが、中小企業でいきなり何枚も作るのは現実的ではありません。まずはFVのキャッチとサブコピーだけを差し替えた複製を、問い合わせが多い上位2〜3グループ分だけ用意するところから始めれば、費用も運用の手間も抑えられます。以降の本文は共通のままで構いません。紹介や指名検索で来た人には説明から入るキャッチが不要、というように、流入元ごとに「どこまで説明済みか」が違うと考えると整理しやすくなります。

キャッチコピーの作り方5ステップ

STEP
素材を出し切る

顧客の悩みの言葉・ベネフィット・数字にできる実績・お客様の声の言い回しを、評価せず書き出します。コピーの質は素材の質で決まります。

STEP
型に流し込んで量産する

後述の5つの型に素材を当てはめ、まず20〜30本作ります。1本を磨くより、量から選ぶ方が確実に良いものが残ります。

STEP
3原則で絞り込む

ベネフィット・具体性・ターゲットの3原則を満たすものだけ残します。「うまいけど原則を外している」コピーを、ここで容赦なく落とすのがコツです。

STEP
読み手の言葉かを確認する

業界用語・社内用語が混ざっていないか、声に出して確認します。可能なら顧客に近い人に見せて「意味がすぐわかるか」を聞くのが確実です。

STEP
出して、数字で選ぶ

最終候補2〜3本は、机上で決めずに広告やLPでテストします。コピーの正解は会議室ではなく市場が持っています。選び方の実務は後述の「数字で選ぶ」で解説します。

そのまま使える5つの型と例文

型構造例文
問いかけ型読み手の悩みを質問にする「ホームページ、作っただけになっていませんか?」
数字型実績・変化を数字で言い切る「問い合わせが月2件→8件になった理由」
ターゲット型誰向けかを冒頭で宣言「マーケ担当がいない会社のための集客支援」
Before/After型変化の前後を対比「広告任せの集客から、指名される会社へ」
損失回避型知らないと損する事実を提示「その広告費、半分は受け皿で漏れています」

業種別の例文サンプル(すべて架空の事業者を想定)

型だけでは自社に引き寄せにくいので、業種ごとの下敷きを用意しました。以下はすべて架空の事業者を想定して作った例文で、実在の企業・店舗の実績に基づくものではありません。そのまま使うのではなく、自社の素材に差し替える前提で見てください。

業種例文(架空)使っている型
士業(相続)「相続の手続き、何から手をつけるか分からないまま止まっていませんか」問いかけ型
士業(相続)「戸籍集めから名義変更まで、窓口はひとつ。初回のご相談は無料です」ベネフィット+オファー
治療院「通うたびに説明が変わる整体に、疲れていませんか」問いかけ型
治療院「初回は60分かけて、今の状態と通院の見通しをお伝えします」ベネフィット型
BtoBサービス「営業担当がひとりの会社のための、商談づくりの仕組み」ターゲット型
BtoBサービス「問い合わせの初動を、翌営業日から当日中へ」Before/After型
教室・サロン「はじめての方だけの、90分の体験レッスン」ターゲット型+数字
教室・サロン「予約の取り直しに追われる毎月から、次回の日程だけを決める毎月へ」Before/After型

注意点として、治療院・美容・健康関連は効果を断定する表現が法令上の制約にかかりやすい領域です。上の例文で「痛みが消える」「痩せる」といった結果を書いていないのは、意図的にそうしています。詳しくは後述します。

文字数と可読性の目安

「キャッチは短いほど良い」とよく言われますが、短さ自体は目的ではありません。判断基準は文字数ではなく、一目で意味が取れるかです。実務の目安はLPのメインコピーで13〜30字程度、スマホのファーストビューで2行以内。これを超えると、読むというより「文章が置いてある」という見え方になり、読み飛ばされやすくなります。

一方で、無理に削って意味が薄まるくらいなら長いままの方がましです。削ってはいけないのは対象(誰向けか)と具体性(数字・条件)で、短くするために「従業員10名以下の会社のための」を落とすのは本末転倒。削るなら修飾語と、なくても意味が通る接続表現から。入りきらない要素はサブコピーに逃がします。

見え方の実務では、公開前に次の3点を確認してください。

  • 実機のスマホで見る:PCで2行に見えても、スマホでは4行になることがあります
  • 改行位置を自分で決める:意味の切れ目で改行する。単語の途中で折り返されると読解に一瞬詰まります
  • キャッチを画像に焼き込まない:修正やテストのたびに画像を作り直すことになります

名作コピーから「学べること・真似してはいけないこと」

「キャッチコピー 名作」で検索すると、大企業の美しいコピーがたくさん出てきます。正直な注意をひとつ——あれをそのまま手本にしてはいけません。

名作の多くはイメージ型で、「すでに知られているブランド」が世界観を深めるための芸です。無名の会社が同じ抽象度で書くと、何の会社かすら伝わりません。名作から学ぶべきは表現の美しさではなく、「読み手の感情のどこを動かそうとしているか」という設計意図の方です。中小企業の実務では、美しさより3原則。ここを混同しないことが、コピーで失敗しない一番の近道です。

キャッチコピーのNG例3つ

  1. 抽象語の羅列:「未来を創造する、あなたのベストパートナー」→何の会社か不明
  2. 自社が主語:「創業20年の実績と信頼」→読み手のベネフィットがゼロ(実績は根拠としてサブコピーで使う)
  3. うまいだけ:ダジャレ・言葉遊びが先行し、ベネフィットが乗っていない

景品表示法・薬機法で気をつける表現

キャッチコピーは言い切るほど強くなるため、法令の線を越えやすい場所でもあります。ここでは代表的な論点を整理しますが、最終的な判断は商材や表示の文脈によって変わる点にご留意ください。

優良誤認・有利誤認(景品表示法)

景品表示法は、実際よりも著しく優れていると誤解させる表示(優良誤認)と、価格や取引条件が著しく有利だと誤解させる表示(有利誤認)を禁じています。悪意がなくても、受け手がそう誤解する表示であれば問題になり得ます。キャッチコピーで特に注意したいのは「必ず」「絶対に」「誰でも」「〜するだけで」のように効果を言い切る言葉です。

No.1・最大級表現は客観的な根拠が前提

「地域No.1」「業界最安」「顧客満足度第1位」「最大級」といった表現は、客観的な調査に基づく根拠があって初めて使えるものです。使うなら、調査の実施者・調査時点・調査対象の範囲を明示できることが条件。アンケートの母数が極端に少ない、範囲の設定が実態とかけ離れている、というケースも根拠としては弱くなります。迷ったときの基準は「その一言を裏づける資料を、今この場で出せるか」。出せないなら書かない、が安全です。

二重価格表示

「通常50,000円 → 今なら19,800円」のような比較は、比較対照とする価格に実態があることが前提です。実際には販売していない価格を「通常価格」として並べると、有利誤認につながります。期間限定の割引を常時掲出し続けるような運用も、同じ理由で危うい表示です。

健康・美容の効果効能(薬機法)

化粧品・健康食品・サプリメント・美容機器などは、薬機法によって医薬品的な効果効能をうたうことが制限されています。「治る」「治療する」「痩せる」といった表現は、たとえ体験談やお客様の声の形をとっていても、広告全体として効果をうたっていると判断されれば同じ扱いになります。

治療院・クリニックなど、業種ごとに広告できる内容の範囲が別途定められているケースもあります。この領域でコピーを書くときは、結果ではなく提供する内容(時間・手順・対応範囲)を具体化する方が、法令の線を越えずに具体性を出せます。

ここで挙げたのは代表的な論点にすぎません。自社の表現に不安が残る場合は、所管の相談窓口や広告表示に詳しい専門家に確認するのが、結局のところ一番早くて確実です。

キャッチコピーは当て勘でなく数字で選ぶ

作り方5ステップの最後が「数字で選ぶ」でした。ここを具体化します。

ABテストで比べる(比べられる状況なら)

最終候補が2〜3本に絞れたら、同じ期間に出し分けて比べます。ルールは2つだけ。1回に変えるのはキャッチだけ(同時にボタンの文言や画像を変えると、何が効いたのか分からなくなります)。そして判定の期間と母数を始める前に決めておくこと。途中経過を見て「勝っているうちに止める」のは、偶然を実力と見間違える典型です。曜日による偏りを避けるため、期間は最低でも1〜2週間を見ておきます。

アクセスが少ない段階では検証が成立しない

ここが中小企業では一番重要な点です。1日の訪問が数十人、問い合わせが月に数件というLPでは、AとBで差が出てもほぼ偶然の範囲で、勝ち負けを判定できません。検証できない量のアクセスで検証しようとするのが、最もよくある時間の使い方の誤りです。

その段階でやるべきなのは、テストではなく「誰向けか」を直すことです。対象を絞り、その人が実際に使っている言葉に置き換える。A案とB案の差よりも、対象がぼやけていることの方がはるかに大きな損失になっているのが実情です。広告を運用できるなら、コピー案を先に広告の見出しでテストするのも近道です。広告はLPより短期間で表示回数が積み上がるため、少ない予算でも反応の差が見えやすくなります。

キャッチコピーについてのよくある質問

キャッチコピーの適切な長さはどのくらいですか?

LPのメインコピーなら13〜30字程度が目安です。スマホのファーストビューで改行2行以内に収まるかで判断してください。長くなる場合は、メインを短くしてサブコピーに補足を逃がします。

メインコピーとサブコピーの役割分担は?

メインで「足を止めさせ」、サブで「根拠と対象を補う」のが基本です。例:メイン「月末の経理が、半日で終わる」+サブ「銀行口座と自動連携する会計ソフト。従業員30名以下の会社向け」。

キャッチコピーは何案くらい作ればいいですか?

最初の量産では20〜30本が目安です。5本目までは誰でも思いつく言葉が出て、自社ならではの言い回しはその後に出てくることが多いためです。そこから3原則で絞り、最終候補は2〜3本にしてテストにかけます。多く作ること自体でなく、捨てる余地を持つことが目的です。

AIにキャッチコピーを作らせるのはありですか?

量産(STEP2)には非常に有効です。ただし素材(顧客の生の言葉・自社の実数)の質はAIでは代替できず、最終判断はテスト(STEP5)に委ねるべきです。AI=量産機、人間=素材と判断、という分担が現実的です。

数字にできる実績がない商材はどうすればいいですか?

具体化の手段は実績の数字だけではありません。対象(誰向けか)・場面(どんなときに)・手順(何項目)・所要時間(何分・何営業日)も材料になります。「初回は60分かけて状態をお伝えします」は実績がなくても書ける具体性です。実績の少なさを曖昧な言葉で覆うより、対象を絞る方が反応は取れます。

キャッチコピーを変えただけで成果は変わりますか?

大きく変わることもあれば、まったく動かないこともあります。判断材料はスクロール到達率です。ファーストビューで多くが離脱しているならキャッチの影響は大きく、最後まで読まれているのに問い合わせが来ないなら、原因はオファーやCTA側です。どこで落ちているかを先に見てから直す場所を決めてください。

表現で法律上気をつけることはありますか?

「No.1」「最安」などの最上級表現は客観的な調査に基づく根拠が必要です(景品表示法)。健康・美容分野は効果効能の表現に薬機法の制限があります。数字を使うときは出典と時点を明記できるものだけにしてください。詳しくは本文の「景品表示法・薬機法で気をつける表現」を参照してください。

まとめ

この記事の要点を整理します。

  • LPのコピーはキャッチ・ボディ・クロージング(マイクロコピー)の3種類。キャッチだけ磨いても成果は動かない
  • 中小企業に必要なのはレスポンス型。イメージ型の名作は手本にしない
  • 3原則=ベネフィット・具体性(数字)・ターゲット明示。これを第三者の評価・実績で支える
  • 広告文とFVのキャッチを一致させる。キーワード群ごとにFVだけ差し替えるのが現実的な第一歩
  • 作り方は「素材→型で量産→原則で絞る→読み手の言葉か確認→テスト」
  • 長さはスマホで2行以内が目安。ただし対象と具体性を削ってまで短くしない
  • No.1・最大級表現は客観的な調査根拠が前提。健康・美容は効果効能の断定を避ける
  • 正解は会議室でなく市場が持っている。ただしアクセスが少ないうちは検証より「誰向けか」を直す

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