ビジネスプロフィールの運用手順書は、操作方法の説明書ではなく「誰が、いつ、何を正として、どこまでしてよいか」を決めた社内ルールです。画面の操作はGoogleのヘルプが最新です。手順書に書くべきなのは、ヘルプに載っていない自社の判断です。
この記事は、店長やスタッフにプロフィールの更新や電話・口コミの対応を任せたい店舗・地域サービスの事業者向けです。手順書に入れる項目、役割ごとの教え方、そのまま使える1枚の雛形、見直しのタイミングを説明します。Google公式ヘルプは2026年10月5日に確認しました。手順書の構成、教え方、頻度は当社の編集上の提案で、Googleの要件ではありません。
手順書に書くこと、書かないこと
| 書くこと(自社の判断) | 書かないこと |
|---|---|
| 正しい情報がどこにあるか(店舗台帳、料金表など) | 画面のボタンの位置を細かく写したもの。表記が変わると誤情報になる。公式ヘルプへのリンクで代える |
| 誰がどの権限を持つか、権限を渡す・外す手順 | パスワード、バックアップコード、確認コード |
| 変更が決まったときの連絡経路と期限 | 口コミ投稿者や顧客の個人情報 |
| やってはいけないこと | Googleの仕様の要約だけを長く書いたもの |
| 困ったときに誰へ上げるか |
パスワードを書かないのは、Googleが各ユーザーに自分のGoogleアカウントを持たせ、パスワードを共有せずに管理できる仕組みを用意しているためです(オーナーと管理者を管理する)。権限の割り振りはスタッフ・外注先への権限設計を参照してください。
手順書の8項目
- 正本の場所。店名、住所、電話、営業時間、サービス、料金の正しい値がどこにあるか。プロフィールではなく社内の台帳や掲示物を正とし、プロフィールはそれに合わせる
- 権限表。メインのオーナー、オーナー、管理者の一覧と最終確認日
- 変更が決まったとき。営業時間・休業・電話番号・料金が変わるとき、誰が何日前までに誰へ伝え、誰が入力し、誰が公開表示を確認するか
- 週次の点検。お客さまに見える画面で、営業時間、連絡先、写真、新しい口コミ、Googleによる変更の通知を確認する
- 口コミ対応。返信する人、返信前に事実を確認する人、書いてはいけないこと
- 電話対応。Googleからの確認の電話と、Googleを名乗る営業電話の区別
- 禁止事項。下の表を参照
- 困ったとき。停止、権限、重複、表示されないなどの状態別に、誰に上げ、どの記事・ヘルプを見るか
週次・月次の点検の中身は親記事のMEOの運用、複数店舗の台帳は複数店舗の情報と権限を管理するで扱っています。
禁止事項は理由と一緒に書く
禁止事項は、理由が分からないと「今回だけは」と破られます。公式ヘルプで根拠を示せるものを並べておきます。
| 禁止事項 | 根拠 |
|---|---|
| 実際の名称にない地域名・サービス名・キャッチコピーを検索対策のために足す | ビジネス名に不要な情報を含めると、プロフィールが停止される場合がある(ガイドライン) |
| 同じ店舗のプロフィールを新しく作る | ビジネスごとに作成できるプロフィールは1つだけ。重複と見なされると検索やマップに表示されなくなる(重複するプロフィールの問題を解決する) |
| アカウントのパスワードを共有する | 各自のアカウントに権限を付ければ共有は不要(前出のオーナーと管理者のヘルプ) |
| 電話で支払い情報やアカウントのパスワードを伝える | Googleが支払い情報やアカウントのパスワードを尋ねることはない(Googleからの自動通話) |
| 見返りを渡して口コミを頼む | 依頼の線引きは口コミ依頼の違反ラインで確認する |
電話を受けるスタッフに必ず伝えること
店舗の電話は、プロフィールの運用担当でないスタッフが取ることが多い場所です。公式ヘルプによると、Googleは営業時間などの確認や、ユーザーに代わった予約・問い合わせのために、プロフィールの電話番号へ自動通話やテキストメッセージを送ることがあります。こうした通話の結果による更新は審査のため「保留中」となり、審査に最長5営業日ほどかかることがあるとされています。自動通話による予約などは一部の地域と言語でのみ提供されています(Googleからビジネスへの自動通話またはテキスト メッセージについて)。
受付で答えた内容がプロフィールに使われる可能性があるため、「営業時間を聞かれたら台帳どおりに答える」「分からなければ担当者に回す」を手順書に書きます。一方、Googleは通話の冒頭でGoogleからの連絡であることと理由を伝え、自動通話でサービスへの登録、金銭の支払い、個人情報の提供を求めることはないと説明しています。Googleの社員を装った電話は切り、音声案内でボタンを押すよう促されても押さないよう案内されています(不正な電話とテキスト メッセージからの保護)。営業電話の見分け方はMEOの営業電話は本当?にまとめています。
役割ごとに教える内容を分ける
全員に同じ資料を読ませるより、役割ごとに「その人が実際にする操作と判断」だけを教えるほうが定着します。以下は当社の提案する分け方です。
| 役割 | 教える内容 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 受付・電話担当 | Googleからの確認電話と営業電話の違い。営業時間を聞かれたときの答え方。口コミを頼むときの言い方 | 想定問答を1回読み合わせる |
| 店長(自店の管理者) | 営業時間・特別営業時間の入力、写真の追加、口コミ返信の手順と書いてはいけないこと | 来月の祝日を実際に特別営業時間へ入れてもらい、公開表示を一緒に確認する |
| 本部・オーナー | 権限の追加と削除、Googleによる変更の確認、トラブル時の手続き | 四半期ごとの権限棚卸しを実施する |
Googleによる変更や利用者からの編集の提案は、一部が公開前に通知され、通知から4日以内に承認または拒否するよう求められます。対応しないと、ウェブサイトなど公開情報で裏付けられる更新は自動的に公開されることがあります(Googleによる変更を管理する)。通知メールを受け取る人と、その人が休みのときの代わりを手順書に書いておきます。情報が変わる仕組みは店舗情報は誰が変える?で詳しく扱っています。
1枚の雛形(架空の美容室の記入例)
以下は説明用の架空例です。スタッフ5人の美容室で、店長が日常の更新、オーナーが権限とトラブル対応を担当します。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 正本 | 営業時間と休業日=レジ横の年間カレンダー。料金=公式サイトの料金ページ |
| 権限 | メインのオーナー=店の事業用アカウント/オーナー=代表/管理者=店長。最終確認10月1日 |
| 変更が決まったとき | 代表が決めたら7日前までに店長へ連絡。変更が実際に始まる日と表示が一致するよう店長が入力し、翌営業日に公開表示を確認して共有チャットに報告 |
| 週次 | 月曜の開店前に店長が10分。営業時間、電話、新しい口コミを確認。変更の通知は別途毎営業日確認し、休みの日の代替担当も決める |
| 口コミ | 店長が下書き、施術内容や来店日など個人を特定できる情報は書かない。苦情は代表が確認してから返信 |
| 電話 | Googleを名乗り支払いを求める電話は切る。営業時間の確認電話には年間カレンダーどおり答える |
| 禁止 | 実際の名称にない「駅前」「カット」等を検索対策で足さない。新しいプロフィールを作らない。パスワードを聞かない・教えない |
| 困ったとき | 表示が消えた、停止、権限が分からない場合は作業を止めて代表へ。代表は状態を記録してから手続きを選ぶ |
「困ったとき」の行き先は、状態ごとに次の記事を手順書に貼っておくと迷いません。停止は停止への対応、権限が他人のままなら権限を取り戻す手順、同じ店舗が2つ出てきたら重複掲載を整理する、地図に出ないなら地図に表示されない原因を切り分ける、Googleに相談するならサポートへ相談する記録を揃えるです。
手順書を古くしない
- 担当者が替わったとき、権限表と連絡経路を同じ日に直す
- 移転・店名変更・長期休業など、大きな変更の前に該当する項目を読み直す
- 年に1回、引用しているGoogleヘルプのリンク先を開き、記載が変わっていないかを確かめ、確認日を書き換える
Googleのヘルプは更新されます。手順書には「何を、いつ確認したか」を残し、仕様の細部はリンク先を正とする書き方にしておくと、古い情報で判断する事故を減らせます。点検の頻度や月次の振り返りは親記事のMEOの運用に戻って確認してください。
